「デザイン」と「マーケティング」の接点

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「デザイン」が「ビジネス」にできることを書いたあとに、こんな記事をみつけました。

照明を売らない照明器具「LivingColors」はどこが新しい?

この商品は、禅問答のようだが「照明器具だが照明を売らない」。では、照明を売らずに何を売っているのか?

「LivingColorsは照明器具ではありません、あなたの愛の形を自在に演出できるムードづくりのソフトウエアです」これこそが LivingColorsのメッセージなのだ。"What color is..."のメッセージには、照明を「プロダクト(製品)」から「エクスペリエンス(体験)」へ、そういう発想の転換がある。


「デザインを語るコンサルタント」を見つけると嬉しくなります。昨日紹介した中西先生は「ビジネスを語るデザイン・コンサルタント」でした。→「デザイン」が「ビジネス」にできること

そんなわけで、ご本人のブログも見てみました。

マーケティングはエコー

デロンギは日本でアンテナショップを設けていたが、市場機会が熟したと見たのか、 代官山という感度の高い人が集まるエリアに直営店を出した。そのお店の特徴は 「報道ではよくわからない」というものだ。これは家電店なのか、レストランなのか。

わたしが思うにはこうだ。「あなた、家電を買うんですか。有楽町やアキバや池袋に行くのですか。それでもかまいませんが・・・あなたなら代官山のデロンギを理解してもらえるものと思っています」。これがデロンギのメッセージなのである。

ここにはマーケティングの重要な転換がある。

人間にはこういうタイプがいる、ああいうタイプがいる。そういタイプ分けをマーケティングの世界ではセグメンテーションという。作れば売れる時代が終わり、売れない時代から盛んになったマーケティングの金科玉条の第一条がセグメンテーションである。お客様を何らかの軸(購買実績や商品購買タイプ、収入や家族構成など)で区分することである。

老婆心ながら第二条はターゲティングで、自分のメインのターゲットを見定めること、さらに第三条はポジショニング、他社と違った商品やサービスを投下しようという実践である。その頭文字をとってSTPという。

だがそういう考え方は古いと一刀両断なのが冒頭に引用したプロダクト・デザイナー深澤直人さんである。商品を通じてお客様に「あなたはこういうことがわかる人ですね」と言うことは、セグメンテーションという考え方とは対軸にある。

これは良い記事だと思いました。ぜひ原典で全文をご覧ください。→マーケティング・ブレイン: マーケティングはエコー

それは売り手視点のセグメンテーション(顧客を選別)ではなく、エコー(echo/こだま)のようなものだと思う。「家電とレストランを一緒にするテイストを、あなたならわかってもらえるはずです」 それを受け取った人がこう答える。 「なるほどね、わかります!」

こういうエコーのやりとりを創ることがマーケターの使命である。

めちゃくちゃ共感しました。

私はそれを「消費者の声を代弁する仕事」と表現したりしています。

そして、ここが重要ですが、そういうプロダクトを「実際に作りきらないと、意味がない」ということです。

よって、マーケターのもう一つの重要な仕事は「もっとも口うるさい消費者」「もっとも開発者に近いところにいるクレーマー」という役割。

いちばん厳しい消費者の代弁者になる。消費者が要求しない・妥協するであろう点まで指摘する。自分が納得するまでプロダクトを世に出さない。一般的には「プロダクト・マネジャー」の仕事に分類されると思いますが。いわゆる「商品企画」を担当する「マーケター」の重要な仕事だと思います。

※「マーケター」というのも幅広い言葉ですね。「データ収集屋さん」みたいな人も「マーケター」と呼んだりしますし。

※うちは自身がメーカーではなくデザイン・ファームなので、うちの「顧客」は法人です。「消費者≠顧客」です。よって、チェックする際の観点は、直接の「顧客(クライアント)」、最終的な「消費者(ユーザ)」、購買の決裁権を持つ「購買意志決定者」、実際に費用を負担する「予算提供者(サイフ)」など、複数の人たちの姿かたちを創造しながら、になります。

※例えば「教科書」であれば、サイフは親で、ユーザは子供で、意志決定者は教育委員会で、顧客は出版社だったりします。

※よって、「プロダクト・マネジャー」がクライアント社内の人の役割だとすれば、それと同じ機能をゼロベース社内で持つのは案件責任者たるプロジェクト・マネジャーやプランナーなどです。

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このページは、ishibashiが2007年9月20日 21:23に書いたブログ記事です。

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