ネットベンチャーが自前主義で内製の理由

新規事業においては「要求されたものを正しく作る」というSIer・システム開発会社の能力が役に立たない。そもそも何を作れば事業が成功するのかわからない、開発会社に何を要求すれば分からない、というのが発注側の状態だ。だからネットベンチャーはエンジニアを雇って内製(自社開発)する。

事業としてのWebサービスとは? (2008年02月01日)

例:事業としてのWebサービス
Yahoo! Japan、楽天市場、mixi、はてな、モバゲータウン、ユニクロオンラインストア

こうして並べただけでも、システムは自社開発という会社が多いのに気づきます。

昔から今にいたるまで、ネット業界は自前主義でシステムの内製が多いです。細かく言うと「ネットベンチャー」(元ベンチャー含む)ですが。

で、それは何故か?というのが最近のテーマでした。

一定の答えを見出した、と思いました。→SIerはWebサービスを開発できるのか? (2008年02月03日)

Webサービスに「システム開発」の側面があるからといって、業務システムのように「ユーザに聞く」とか「要件定義」とか「要求開発」しようとする発想では、うまくいかない。そこで「プロダクトアウト」か「マーケットイン」か、といった二分論での議論も危険。どっちの面も必要に決まってる。

そういう仕事って何?「マーケティング」や「商品企画」ですよね? で、それってSIerに可能なんでしょうか?

作るだけならカンタンですよ。QCD(品質・コスト・納期)も達成できるかもしれません。でも、「使ってもらえないと意味が無い」し「事業としての目的を達成できなければ意味が無い」です。SIerに新規事業企画能力ありますか?

で、ネットベンチャーにとってはWebサービスがまさにビジネスの中核をなすわけですが、SIerには、その中核部分を作ってもらうことになります。それは言い換えると、

ネットベンチャーにとって、SIerに自社の命運を預けることはできるのか?

って、怖すぎますね。マーケティング思考の無い人たちに自社のビジネスの根幹であるプロダクト(くどいですがWebサービスにおける「システム」は「プロダクト」です)の開発を任せるなんて、怖すぎる。

エンジニアを雇って内製するのが自然な発想です。そんなわけでネット企業はシステム開発自前主義になる。

※とくにネット「ベンチャー」は。起業家は自分のビジネスに人生賭けてますからね。自分でリスクをコントロールしたい。わけのわからん理由で失敗したくない。分かってない奴に任せたくない。それが起業家心理というものです。(そして、そんなことが理解できるSIerも存在しないわけで)

逆にいえば、新規事業としての新規Webサービス立ち上げを多数経験した人間によるシステム開発会社があれば、それはネットベンチャーのパートナーになりえるんではないか?

といった意味で、我々がその最初の例になりたいなあと→プロトタイピングによるフィジビリ(F/S)とは?

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