ちょっと待て、そもそも「ベンチャー」ってのはなぁ・・・(帰らない)

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ちょっと待て、そもそも「ベンチャー」ってのはなぁ・・・(導入)の続きです。

いまいちど、確認しておきましょう。「ベンチャーマネーで資本調達する」ことは、「産業(市場)の成長期にシェア1位を取る」こととセットになっています。終わりなき(実際には終わるけど)シェア獲得競争の始まりです。

「競争」とは自分との戦い

「成長期にシェア1位を取る」とは、どういうことか?

「自宅に帰れると思うな」ということですよね。

あなたが休んでいる日に、敵は働いています。あなたが寝ている間にも、敵は働いているのです。

え?「おれは優秀だから土日は休んで9時5時で働いても勝てる」って?そうかもしれませんね。でもあなたの知らない優秀な人たちがいるかもしれませんよ。もし仮に、決着が付いたときに「負け」だったら、そんな仕事っぷりで後悔しない?全力を尽くさなかった自分を許せる?

どうせ負けるにしても「やるだけのことはやりきった」と思いたいか「もっとやっておけばよかった」と思いたいか。

その考え方、基本的な価値観というのが、ベンチャーで起業したり、ベンチャーに就職したりするときのリトマス試験紙になりそうです。

起業家というのは、「一度しかない人生において悔いを残したくない」という人間が多いんです。→"後悔極小化思考" by 西川潔氏

結局タイトルの「ベンチャーは帰らない」の件ですが、「帰れない」ではなく「帰らない」「帰りたくない」のですよね。本来は「働かされてる」と感じるような人はベンチャーに入社すべきでないのですよ。

「俺たちの仕事で世界を変えてやる」

そう思って働いているチームにとって、休暇は「エネルギッシュに働き続けるために取るべきもの」であって、仕事の中に位置づけるものなのですね。これは強調しておこう。

ベンチャーにとっては、仕事が中心で、休暇はその手段。

もちろん、その休暇の必要な程度は、個人により、職種により、業種により、経営によります。

スポーツで言えば、水泳なら「息継ぎ」だし、マラソンなら「給水」だし、ツールドフランスなら「宿泊」だし、F1なら「週単位の滞在」といった具合です。競技のパフォーマンスを最大化するために必要な休息ですね。ある意味において、24時間365日が競技中なのです。

実際、本格派のベンチャーには「休暇のパフォーマンスを最大化する」ような休暇の考え方が多いと思う。決して「休暇を楽しむために働く」とは違う。まるで逆。

もちろんベンチャーでも家庭を大事にしている人はいるだろうけど。少数派だと思います。やはり仕事人間(ワーカホリック)が多い。

これは自然なことだと思います。「仕事は生活の糧を得る手段」と割り切っていれば、ベンチャーやってない。給料以上に報酬をもらえるおいしいポジションが、大企業にはたくさんある。わざわざベンチャーにいる時点で、それよりは仕事が好きなんですよ。なにか面白いこと、でかいこと、意義のあることを、まだ世の中に無いものを実現することを、仕事にしたいと思っているような人たち。

だから、ワーカホリックとベンチャーは相性がいいし、それを前提にベンチャーの経営も考えられているんだから「ワーカホリックでないやつはクビにしろ」というのはけっこう賛成できる(流動性の高い米国の事情もあるわけで。もともと日本の話しをしているわけじゃないんだし)。そもそも雇わなければいいんだけど、応募者も「ベンチャー」というものがよく分からずに応募してしまって、会社もうっかり採用してしまう場合はあるわけで。そんなときはスパっと解雇したほうがお互いのためになると思う。お互い人生長いんだから、ダラダラ先延ばしせず、すぐ決断したほうがいい。辞めて新天地を探せばいいし、不適切な人を解雇したあとでチームの結束をより固めればいい。

で、ここまでの議論をふまえたうえで「それでもベンチャーだからといって家庭を大事にしないのは」とか言ってる人へ、言いたい。上に書いたように「仕事第一」で戦ってる奴ら、24時間365日を仕事を中心に考えている、肉体も精神もタフな連中に対して、「仕事も家庭も趣味も」と言ってるあなたが勝てる合理的な理由は?

今回は以上です。

長くなったので次回に続きます。次は「ベンチャーは金が無いのが強み(だから同じ人件費でたくさん働くやつは偉い。それだけで経営に貢献している)」という話しを書きます。

※注意点:すごく極端な例を挙げました。実際には、私生活を犠牲にするほど働いている人と、私生活も大事にしながら働く人の、半年から2年くらいのスパンで見た生産性は、どちらが上でしょうか。わかりません。わかるわけがない。統計的な問題を扱うのにデータがなければ結論は出せない。ですからこの記事で述べたのは、こういう信念でハードワークする人もいる、という一面です。

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このページは、ishibashiが2008年3月 9日 16:00に書いたブログ記事です。

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