ちょっと待て、そもそも「ベンチャー」ってのはなぁ・・・(金が無い)

金が無いのがベンチャーの強み

いくら資本調達できるといっても、基本的にベンチャーには金がありません。湯水のように金がつかえる大企業とは違います。

一方で、金が無いから工夫して、「金のかからない事業運営方式(ローコスト・オペレーション)」を確立できる機会が大きい。これはむしろ大企業に対する「金の無いことの強み」でさえあります。

ベンチャーに金が無いと何もできませんが、金がありすぎるのは最悪です。必要最小限の金がある、という適正な金額があります。(※もちろん、フェーズによります)

早期に多額の資金を集め過ぎた

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コスト削減の要(かなめ)は家賃と人件費

さて、ベンチャーには金が無い、というわけで、ローコスト・オペレーションを考えるわけですが、まずは「もっとも削減効果の大きい要素は何か?」を探すことになります。(※コピー用紙の裏も使う、とか、照明をこまめに切る、みたいなのは、ただのケチじゃないでしょうか)

そこで「全体最適」の観点で真っ先に問題にすべきは、全費用の大部分を占める大きな固定費、つまり「家賃」と「人件費」です。ネットベンチャーなら最初からすごいサーバ代がかかったりするかもしれませんが、いまならAmazon EC2で変動費化すればいいと思います。(※場合によりますが)

この「全費用の大部分を占める大きな固定費」である家賃と人件費には、やっかいな性質があります。「ひと月あたり」の費用だということです。1日24時間使っても、8時間使っても、同じ値段です。(そもそもそういうものを固定費と呼んでるわけですが)

だから、家賃と人件費の「稼働率」を最大化する必要があるのです。日本語で言い換えれば「24時間働けますか」ということになります。

この「固定費稼働率の最大化」はベンチャー経営者の基本的な責務とさえいえます。

結局、家賃と人件費の稼働率を上げるのは「長時間労働」であり、ワーカホリック化と同義です。

前回の記事からこの結論までが一連のロジックで、途中で分岐はありますが、基本的には「ベンチャーマネーで資本調達し、成長産業でシェア1位を取ることにより上場を目指す本格派ベンチャー」においては、家賃と人件費という2大固定費の稼働率最大化を目指す「ワーカホリック組織の構築」は基本的な要件と言っても過言では無いかと。

だからJason Calacanisいわく「昼食を買ってやれ。外に食べに行く時間を節約できる。昼食の時間にミーティングをすればさらに時間の節約になる。」というのも起業家としては当然の発想だし、こういう発想が持てなければ、むしろ起業家失格でしょう。(選択肢として思いつき、検討できる、という意味で。実際にやるかどうかに正解は無いですが)

Googleも、みなさん御存知「フリーランチ」ですよね。まさにClacanisの主張を実践してる会社。とくにGoogleレベルの才能集団だと「大きな固定費としての人件費」というよりも「最高の才能集団の【時間】という資源」の最大活用という観点でしょう。どちらも長時間労働につながる点は共通していますが。

今回の結論、ちょっと真面目に書きます。

長時間労働は、ベンチャー企業の従業員による、もっとも素朴な形での起業家精神、経営マインドの発露といえるでしょう。「労働者」ではなく「起業家」の視点で、「同じ費用なら最大の成果を」と考え、行動するのは「投資」に近い。だからこそ、ベンチャーの従業員に対しては「ストック・オプション」という報酬形態がある。

将来の果実を得るために、今日の汗を流すことを「投資」と言います。

長くなってきたのでこの辺で。次は「やっぱりベンチャーには仕事人間がいい」という件。

※注意点:すごく極端な例を挙げました。実際、長時間労働したから成功するというわけでもありませんし、そもそも長時間労働と成功の相関係数は正なのかどうかすら不明です。

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