新規事業のリスクとコスト構造

極限までローコストで、新規事業をスモール・スタートする方法についての考察 (4):「予期せぬ成功」に備えて投資しますか?

目次

  1. Webビジネス新規事業への賢い「アジャイル」投資術
  2. 新規事業投資、どこまで削れるか
  3. 新規事業のIT投資に、より多くの選択肢を残す
  4. 新規事業のリスクとコスト構造
  5. システム力に勝る「人間力」(手運用)
  6. 戦略的コスト構造を武器に
  7. 新規事業の不確実性

リスクとコスト構造

会計的な観点では、いかに「投資を固定費に」「固定費を変動費に」するか、がポイントです。同じ支出でも、投資とランニング・コストでは、性質が違います。投資は支出した瞬間に大きな金額が確定してしまう一方で、ランニング・コストには柔軟性があります。(※もちろん、税法上一括償却できるような少額の投資なら、大して問題になりません。いま問題にしているのは100万円以上の投資です)

仮に、事業が不振で撤退するとします。その場合、費用ならば事業撤退の月から支出を止めることもできます。一方で、投資して獲得した資産は、流動性や転売価値が低くなりがちです(※)。結果として事業の撤退コストを押し上げ、精算価値を押し下げます。(※あるビジネスモデルに特化したシステムなどの資産は、そのビジネスがダメだとしたら、無価値になる場合もあります。運が良ければ、別の用途に使ってくれる買い手が現れるかもしれませんが)

さて、「どこまで東京?」の実際を見てみましょう。

いただいた投稿を元にぼくが手作業で結果を発表するというハートフルなシステムを採用しております。いましばらくお待ちください。現在50通溜まっております。すまん。

投稿反映に関して - どこまで東京?

いま更新して、5人の方分をご紹介するのに1時間半かかることが分かりました。今現在、あと150通溜まっていますので、全てご紹介するのには、えーと、45時間ですか。それだけかかります。

嬉しい悲鳴 - どこまで東京?

まさに「嬉しい悲鳴」のようです。ドラッカーなら「予期せぬ成功」と呼ぶところです。我が社にも「ここまで急に流行ると思わなかった」という経験(エア新書,コマーシャライザーなど)があるので、体験として分かっているつもりです。

こういうアップサイド(大成功)のケースを想定して(ある意味「取らぬ狸の皮算用」)、万全なシステムを作るべく投資するケースがあります。今回はそのような投資に対して懐疑的な論点を示します。(※無論、個別に見れば妥当な投資もあると思いますが、過大な投資のバイアスに対して、逆の考え方を示したいと思います)

IT投資の効果指標として「コスト削減効果」を考えるのはアリですが、業務システムと違って、新規事業においてはリスクが大きい。どれくらい使われるか(=処理件数)が分かりませんから、改善前後のコスト(トータル=単価×件数)を比較するうえでもリスクを考慮しないといけない。

細かく見ていきますと、「1件あたりの処理費用(改善前)」だけなら、ある程度まで「やってみなくても分かること」でもあります。例えば、Googleマップというシステムはすでに存在しますので、サンプルデータを作って、実際に手作業でやってみればいい。

また、その「削減効果」も、ある程度までは予測可能です。システム化の方式により、どれほど効率化されるかを試算すればいい。

このように、「処理1件あたり処理費用」も「その削減(改善)効果」も分かります。しかし、肝心の「件数」が確定しません。ですから、新規事業における業務効率化投資の効果には「リスク」があります。これが、ふつうの業務システムにおける投資との違いです。(※ここで「150も投稿が来ると分かってるんだから最初からシステムを用意しておくべきじゃないか」というのは完全に後知恵です。閑古鳥が鳴いていたかもしれないのです)

以上のように、新規事業の不確実性を考慮すれば、「いきなり投資しない」「必要最小限に絞る」という方針が有力だと思うのです。

「でも、『予期せぬ成功』への備えが無いじゃないか」と思われることでしょう。次は、その「備え」について述べます。それは「人間力」です。といってもウェットな話をするつもりはありません。文字通りマンパワー(manpower)の話です。

つづく

※余談ですが、政府には「電子申請1件あたり1千万円以上」という失敗例もあります。これを受注する前に、「そんな多額の投資をすべきでない。まずは少額で実験から始めるべき」と進言するベンダーはいなかったのでしょうか?(※と思ったので、セカンド・オピニオンを行政セクターには無料提供することにしました。税金の無駄遣いを防ぐために、出来るかぎりの社会貢献をしたいと思います)

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