シンプルとは、独自のウリで一点突破できること

「シンプル」とは、「商品やサービスに、本質的価値が漏れなく含まれ、かつ余分なものがないこと」だと考える。

「シンプル」という概念は、奥が深い。

「シンプル」はデザインする上で、常に考えているテーマのひとつですが、改めて考えると複雑なトピックのひとつです。文章にしてこう書いてはみたものの、Paul Rand のような偉人はもっと少ない字数で的を突いたメッセージを投げかけています。

Simplicity is not the goal. It is the by-product of a good idea and modest expectations. (シンプルはゴールではない。シンプルは良いアイデアと控えめな期待によって生まれた副産物である。)

シンプルの本当の意味は何だろう : could

私は、デザイナーの視点ではなく、マーケティング、マネジメントの視点で、「シンプル」を定義します。「シンプル」とは「独自のウリで一点突破できること」です。詳しく言えば、「商品やサービスが、ビジネスのコアに適合している」という意味です。

それぞれ「コア」と「適合」の意味を説明しましょう。

「コア」とは、顧客が感じる価値−−−マーケティング・ミックスの4CにおけるCustomer Value−−−のことです。とくに、「コア(核・必須)」と「コンテキスト(周辺・衛生要因)」に分けたときに、コアとなる価値とは「本質的価値」を意味します。

ジェフリー・ムーア氏は「コア」を「顧客獲得のための差別化を産み出すプロセス」と定義しています。言い換えると「購入の決め手」やUSP(Unique Selling Proposition)となるでしょう。


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次に、適合性(relevancy)という概念について。これは情報検索の分野において、「漏れがないこと」と「余分なもの(ノイズ)がないこと」を示す指標です。 ※参考:適合性 - 長岡技術科学大学 電気系 自然言語処理研究室


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つまり、「商品やサービスが、ビジネスのコアに適合していること」という定義は、言い換えれば「商品やサービスに、本質的価値が漏れなく含まれ、かつ余分なものがないこと」となります。作り手の狙い、事業の目的−−−なぜ「シンプル」なプロダクトを目指すのか−−−の観点で言えば、「独自のウリで一点突破できること」となるでしょう。

では、なぜ「独自のウリで一点突破できる」といいのか? それを経営の言葉で説明します。

(つづく:「シンプル・デザイン」が経営にもたらすもの (CEO,CFO,CTO視点)

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