Internet Explorer 6問題の政治的解決に関する議論

Internet Explorer 6というブラウザの存在は、エアコンのフロンや、建材のアスベストのようなもの、と考えてみたらどうか。その使用が社会全体の経済的負担になるという意味で。こういう思いつきから始まった議論を紹介します。

Internet Explorer 6というブラウザの存在は、エアコンのフロンや、建材のアスベストのようなもの、と考えてみたらどうか。その使用が社会全体の経済的負担になるという意味で。こういう思いつきから始まった議論を紹介します。

※IE6の存在がウェブ全体にとって大きなコストになっている問題については、実務上関係しておられる方々におかれましては、日々痛感されていることかと思います。

Internet Explorer 6はHTMLの解釈がほかのWebブラウザと異なる点が多く、WebデザイナーたちはInternet Explorer 6を含めたクロスブラウザ対応にいつも苦労させられています。Internet Explorer 6を考慮せずにWebページを作成できたらどんなに楽かと、多くのWebデザイナーは思っているはずです。

YouTubeが「IE6のサポートはまもなく終了します」、IE6を捨てられる日がついに来るか? - Publickey

以下、IE6問題を(フロンやアスベストのように)政治的に解決することは可能か、という議論です。さまざまな選択肢を検討する上での一試案として。

なお、あくまでも試案であり、これを推進する立場でも主張する立場でもありません。安易に政府に頼ることの危険性は重々承知の上です。私はこの議論を通じて、"IE6 No More"のような草の根の活動も有効だと、改めて思いました。ただ、設題として「政治的に解決するとしたら?」という問いの立て方により促される発想というのはあるだろう、と思ってやってみたところ、実際に手応えがありました。これは今後もブレイン・ストーミングで使える質問かもしれません。

※お断り:私は有益な議論だと感じましたので、ご紹介します。明確な結論や主張はありません。難しい問題ですから。

議論の成果

  1. イントラシステムにおけるモダンブラウザ対応&IE6サポート終了が進まないのは、企業のIT投資におけるプライオリティが低いから。プライオリティ向上策のアイデアを出せばいいのでは。例えば"IE6 No More"のような草の根の活動はその一つ。あるいはWeb上のメジャーなサイトが「IE6サポート終了」することによる移行圧力。
  2. いまは「IE6問題」だが、いずれ「IE7問題」になる。その先も同様。常にブラウザは世代交代し続ける。こんなイタチごっこをいつまでも続けるのは不毛。ウェブ自体のアーキテクチャが後方互換性に優れていない部分もある、と言えそう。「10年前のブラウザを使い続けても大丈夫なアーキテクチャ」を模索してみるとか。一方で、後方互換性の担保は、ブラウザの技術進歩とのトレードオフになる可能性は高い。後方互換性の向上は簡単ではない。
  3. 政府系ITシステムの移行が進めば波及効果は大きいだろう。それゆえ政府のガイドラインで移行を進める意義はある。一方、英国政府が言うように、「従来のIE6用システムを保守しながら使い続けるほうがROIが高い」という場合もある。可能なところから、段階的に実施、というのが現実的な線だろうか。
  4. IE6問題は、かなりの部分、企業内・組織内(イントラ)に原因がある問題だと言えそう。例えば「イントラのWebシステムがIE6でしか動かない」「情報システム部門がIE6の使用を強制し、またIE8への移行を禁止している」といったように。実は、IE6でしか検証されていないシステムのうち、互換モード(quirks mode)によりIE7/8で正常に動作するイントラシステムも少なくないはず。そのようなシステムのIE8移行コストは低い。ただし、そのような場合ですら、あらためて全画面テストを徹底すれば当然ながら大きなコストがかかったりする(画面数に応じて)。過剰なリスク回避による欠陥ゼロ志向ではなく、リスク管理による最適品質とROI向上を目指すITガバナンスの姿勢ならば、じつはIE8への移行コストはそれほど大きくない場合もあるのだが、そういうITガバナンスの企業が少ないのではないか。

Twitter上の議論のまとめ

Togetterでまとめました:IE6問題の政治的解決試案

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