ウェブ産業におけるビジネスモデル輸入のタイムラグ

グルーポン、ペニオク、フェースブックなど、米国で流行したウェブのモデル(アーキテクチャ)が日本に輸入されるまで、年単位の時間がかかります。米国で流行してから模倣するだけなら、時間がかかりすぎだと言えます。なぜこんなに時間がかかるのでしょう?

グルーポンやペニオクなどの新しいビジネスモデルが、米国から2年ほど遅れて日本で流行する傾向があります。共通の理由があるのでしょうか。

例えばグルーポン(Groupon)。Googleトレンドで全世界日本の検索トレンドを比較すると、日本では今年5月ごろから検索が急騰しています。おそらくこの原因は、事実上「日本にGrouponを紹介した」この記事でしょう:創業2年で売上300億円超,利益40億円超。驚異のフラッシュマーケティング・サイト,"Groupon" 成功の秘密を探る:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

また、フェースブック(Facebook)も。国内では9~10月から急に(ウェブ業界人を中心に)流行り出した印象があります。これも米国から数年遅れですね。

なぜこのようなタイムラグが生じるのでしょうか。一つの仮説としては『アーキテクチャの生態系----情報環境はいかに設計されてきたか』の観点から、次のようなことが言えます。

「日本のウェブの生態系が、全体として少し遅れて米国の生態史をなぞっている」という見方に立てば、あらゆる「新種」が全般的に少し遅れて登場するのは妥当である、という説明ができるかもしれません。例えば「グルーポン」型のビジネスモデルの成功には、ソーシャルウェブという基盤が必要でしょう。現状の生態系から、次の新しいアーキテクチャが進化してくる、というのが「アーキテクチャの生態系」的な見方です。

もちろん、日米の「ウェブ生態系」は同じものではありませんので、まったく同じ歴史をたどるはずもありません。たとえば2ちゃんねるやニコニコ動画のような日本特有の例があります。とはいえ、おおむね大きな流れとしては同じような歴史をたどっているし、そのなかで(ウェブ事業者として成功モデルを輸入するという)模倣のインセンティブがあるのも確かです。これは鶏と卵の関係でもあると思いますが。

なお、これでも説明できないのがペニオク(ペニー・オークション)です。ペニオクは、生態系のなかで進化する必要がなく、単独で成立しうるモデルだと思います。つまり、日本のウェブの進化を待つ必要なく、すぐに米国の成功モデルを輸入できたはず。ペニオクの輸入に2年程度もかかった理由が、上記のロジックでは説明できません。2008年12月の時点でペニオクは米国で話題になっていました:オークションサイトSwoopo.comは画期的ビジネス?あるいは詐欺? - ZEROBASE Journal

ペニオクの輸入に2年程度もかかった理由として、どのような説明が考えられるでしょうか?

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