Twitter社へデマ対策としての〈コメント付き公式リツイート〉の提案(※走り書き)

震災において非公式リツイートでのデマ拡散が目立った。非公式リツイートを駆逐するための〈コメント付き公式リツイート〉という機能改善をTwitter社へ緊急提案する。

提案のきっかけ

震災でTwitterは生命線として役立った。それと同時にデマも拡散した。デマが奪った命もあるだろう。

などの記事は興味深い。一次情報(ソース)にあたって真偽を確かめる方法として有用だ。

しかし、人々はこういう方法を知ったとしても、その手間を惜しんでデマを拡散し続けるだろう。それを責めるよりは、リデザインしたい。現時点で〈コメント付き公式リツイート〉と〈出典メタデータ付きクリップボード〉という2つのアイデアがある。まずはこの文書で〈コメント付き公式リツイート〉を提案する。

非公式リツイートの問題点

問題は、非公式リツイート(RT: retweet)によるデマが拡散していることだ。非公式リツイートではデマの発信源まで辿れないのが問題。前述の方法で辿ったとしても手間が大きく、実際にデマに荷担するほとんどの人はそのような手間を惜しむ。ここで「辿れない」という表現は経済的制約による事実上の不可能性(つまり「そんな面倒くさいこと誰がやるんだ」)も含んでいる。

元発言のURL付きでツイート出来るクライアントは、すでにある。しかし、そのようなツイートをそれほど見かけない。根本的な解決にはなっていないと考える。RTがこれほど広く利用されているのは、ツイートへのリンク(展開操作が必要)ではなくツイートのテキストそのものが流通するのが良いからだろう。それと同時に「自分のコメントも付与したい」という欲求が人々にある。これが(公式化される前の)RT(retweet)やQT(quoted tweet)が発明された動機だと考える。

〈非公式リツイート〉(以下QTもあわせて〈非公式リツイート〉と呼ぶ)の問題点は、デマ拡散の回収が難しいことと、オリジナルツイートを改変すること(ほかにもあるだろうが)。これらの観点で公式RTのほうが有利だ。実際、今回の震災で「非公式RTではなく公式RTを利用してください」という呼びかけが広く行われている。

既知の実践についての考察

すでに行われている実践に学ぼう。もし〈コメント付き非公式RT〉のかわりに、〈公式RT〉しながらコメントをつけようと思ったら、どうすればいいだろうか。〈公式RT〉したのち、コメントをツイートする、という方法が考えられる。つまり〈公式RT〉と通常ツイートの合計2ツイートで、〈コメント付き非公式RT〉と同じようなツイートをすることになる。

commented_retweet_alike.png

もちろん〈公式リツイート〉+〈通常ツイート〉(コメント)の組み合わせは〈非公式リツイート〉と等価ではない。公式リツイートを見た人が、そのリツイート者の最新ツイート一覧を見て、そのなかに当該リツイートへのコメント(ツイート)を発見する必要がある。このような問題があるので〈非公式リツイート〉よりも〈公式リツイート〉+〈通常ツイート〉のほうが利便性に劣る。〈非公式リツイート〉の危険性をおいても、〈公式リツイート〉の優位性をおいても、〈非公式リツイート〉は使われ続けるだろう。

解決策

公式リツイートにコメントを付加できる〈コメント付き公式リツイート〉機能を提案する。そのためにはTwitter APIの拡張が必要になる。

このアイデアの要点:

  • 〈公式リツイート〉と、それへのコメントとしての〈通常ツイート〉の2つのツイートが更新されること。
  • それら2つのツイートがデータ上・API上関連付けられること。

利用者の手間を増やさず、むしろ利便性を上げる。これが達成できれば〈非公式リツイート〉を使う人は減っていくはずだ。

いまの窮屈な非公式RTコメントと違ってたっぷり140文字のコメントを書けるし、元ツイートを削る(改変)必要もなくなる。デマ拡散時も、オリジナルツイートを削除すれば一連のリツイートはすべて削除される。あるいは削除せずに「オリジナルツイートはデマでした」とコメントを付与することで、一連のリツイートを残したまま「これはデマ」と修正情報を伝搬させることもできる。

※その場合、リツイートした人々は、〈公式リツイートコメント〉を上書き更新する。内部動作上はコメント付き公式RTをいったん削除したうえで再度コメント付き公式RTすることになるだろう。

※註:申し訳ないが画面モックは用意できていないので、イメージする助けになりそうな画面を並べておく。

タイムラインなどのツイート一覧画面での表示

いわゆる「承前」のように2ツイートを並べて表示する。その際に〈コメント付き公式リツイート〉であることが一目で分かるような視覚デザインが必要。例えばリツイートについては、twitter.comやTweetDeckでは一目でリツイートだと分かるような工夫がされている。

commented_retweet_retweet_sign.png
commented_retweet_tweetdeck.png

個別ツイート画面におけるリツイートの表示

オリジナル・ツイートに連なる一連のコメントを並べて表示する。現状リツイートをtwitter.comで表示すると、リツイートしたユーザーのアイコンが横に並ぶ。これを縦に並べて各ユーザーのコメントも表示すると、はてなブックマークのようになる。

commented_retweet_rt.png
commented_retweet_hateb.png

個別ツイート画面におけるコメント・ツイートの表示

いわゆるリプライ時の引用表示のようにオリジナル・ツイートを表示する(API上はin reply toかそれに準じる挙動)。

commented_retweet_in_reply_to.png

検討

Twitterのデータベース制約について詳しく調べていないが、もし更新(update)操作ができないのだとすると、原理的に双方向リンクは難しい。insertしたアイテムのidを、もう一方で指定してinsertし、さらにそのidを、最初のアイテムに登録(update)する、という作業で双方向リンクが可能なのだから、updateできなければ双方向リンクできないと考えられる。

このようなデータベース制約を前提にすると、どうしても〈コメント付き公式リツイート〉で発生する2つのツイートの時系列順序は、通常ツイート(コメント)が古く、公式リツイートが新しい、という順序になりそうだ。工夫が必要。クライアント側で入れ替えて表示するという工夫。Twitterクライアントソフトのデザインガイドライン(Display Guidelines)の更新も。

互換性を考えると〈公式リツイート〉と〈通常ツイート〉(コメント)で2つのツイートに分けた方がよいのだろうけれど、相互リンクできないのが問題だ。互換性を考えなければ、コメントはRTのannotationsに入れればすっきり解決しそなのだが、それではコメントへのリンク(permalink)や、コメント・ツイートのリツイート(※オリジナルツイートのリツイートではない)ができなくなる。だから、コメントを単体のツイートにしたうえで、公式リツイートと紐付ける(annotate)ほうがいいと思う。

API仕様案:Twitter APIの "POST statuses/update" の status 引数にコメントを、 retweet_status_id 引数にRTするツイートのidを指定する。内部的に公式RT (POST statuses/retweet/:id) も実行される。

この文書について

これは走り書きであり、わずかな時間で書かれた文書である。細部の至らない点についてはご容赦願いたい。いずれ調査・検証・清書されるかもしれないし、されないかもしれない。これは主にTwitter社への提案であり、いずれ英語に翻訳されるかもしれないし、されな(略)。より具体的な提案とするため、ユースケースと画面モックを追加するかもしれないし、さ(略)。さらには(略)。

こちら側でそんなことをする間もなくTwitter社がこの案を採用し、優秀な人たちによってさくっと実現されれば、とても嬉しい。このアイデアをTwitter社が利用することについて、何ら権利や対価を要求するつもりはない。せいぜいこの文書の著作権・著作者人格権くらいのものだ。Creative CommonsのBY(表示)ライセンスにしておく。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。

連絡はこちらからどうぞ。本来こういう提案に必須の画面モックが用意できなかったのは申し訳ない。直接議論したければ連絡してほしい。英語の読み書きもそれなりにできるので。本件について出来る限り協力したい。

Twitterという素晴らしいサービスに感謝を込めて。

追記

@Joi 氏(Twitter社に出資したDigital Garage社の役員)がTwitter社の関係者に対して「日本のユーザーから〈コメント付き公式リツイート〉のリクエストが来ている」と伝えてくださった。感謝。

@KatieS Requests from Japanese Twitter users for official RTs with comments to prevent fake RTs @Brackuroyan @zerobaseless than a minute ago via Seesmic Web

@ishii_mit氏からありがたいコメントを頂いた。

建設的、論理的、実用的。ご提案感謝。ご趣旨に賛同。 RT @zerobase @fladdict 拙速ながら自分なりに考えてみました:Twitter社へデマ対策としての〈コメント付き公式リツイート〉の提案(※走り書き) http://bit.ly/gS0MoPless than a minute ago via SOICHA Favorite Retweet Reply

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