ふるさと納税制度は住民税の7%程度の使途を「直接投票」可能にする(『Where Does My Money Go?』と『ふるさとチョイス』)

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自治体毎に税の使途を可視化するWhere Does My Money Go?プロジェクトと、ふるさと納税が普及することで、日本の政治が変わるかもしれません。ふるさと納税者による「税の使途の指定」が重要です。それを保証する「使途審議過程の透明化」も必要です。
Where Does My Money Go? ふるさとチョイス

Where Does My Money Go?は「税金はどこへ行った?」という疑問への答えを、実際のデータから可視化するプロジェクト。ふるさとチョイスは、「ふるさと納税」のカタログ。この二つが広く活用されている未来社会を構想してみました。

「ふるさと納税」は寄付税額控除の特例

「ふるさと納税」という呼称は、実態を正しく表していません。正しくは自治体への「寄付」です。その寄付金への特別な控除制度を「ふるさと納税」と呼んでいます。

「ふるさと納税」で住民税の大半が置き換え可能に

「ふるさと納税」は、「税」ではなく「寄付」ですが、控除・優遇税制は実質的に 「税」と「寄付」を交換可能にします。 Where Does My Money Go?(税金はどこへ行った?)の文脈でいえば、これが重要な点です。ふるさと寄付金など個人住民税の寄付金税制【総務省】によると:

税額控除(※1)=(寄付金-2千円)×(90%-(0~40%)※2)

※1 個人住民税所得割額の1割を限度

※2 寄付者に適用される所得税の限界税率

という税額控除です。実際の税額控除は人により異なりますが、所得税の限界税率が20%だとして、寄付金の約7割が税額控除になります。言い換えると、 「住民税の1割×7割=住民税の7%」は自分で使途を指定できる (そのための手数料が3割)と考えてみてください。これはすごいことです。

「ふるさと納税」の特典

「手数料が3割というのは高いなあ」と思う人は、こう考えてみてください。 通常の住民税に約4割を上乗せした「プレミアム・プラン」では、使途が指定できる のだと。

また、自治体によっては、 特産品 がもらえます。例えば静岡県浜松市に10,000円の寄付をすると特産品がもらえるわけですが、 実質3,000円程度の「料金」でこれらの「商品」を「購入」した と考えてみてください。かなりオトク感があります。詳しくはふるさとチョイスを見てください。

「ふるさと納税」で住民税の約7%の使途は納税者が指定できる

寄付先は、べつに「ふるさと」ではなくても構いませんから、自分が住んでる自治体で考えてみましょう。

もし全住民がこの制度を使えば、政治に変化が起こるはずです。

自治体の予算は議会で民主主義的に統制されていますが、公務員から見て「馬鹿な代議士」を抱き込んでしまえば、思うがままに「役人天国」を作ることもできます。〔※公務員がみんなそうだと言いたいのではありませんが、そういうこともやろうとすればできるし、現に事例もあります〕

しかし、納税者が税金を「直接投票」してしまえば、それに抗うのは困難です。公務員から見て 税収の7%は「直接民主主義」になる のです。これは下手すると 選挙よりもインパクトが大きい かもしれません。公務員が今より「民意」に敏感になるかもしれません。

「たった7%」と思うかもしれませんが、自分の仕事に置き換えてみて、自分の部署の予算が前年比7%減になるとしたら、かなり焦ると思うのです。あるいは7%増ならとても嬉しい。「7%の浮動票」の行方は気になるはずです。

「使途の限定」をスポイルさせないための審議過程の透明化

いちおう気をつけたいのは、使途を指定して「納税」したつもりでも、それが反映されない可能性です。例えば新宿区のふるさと納税制度では、

お預かりした寄附金は、協働支援会議の意見を聴いて、新宿区が助成先及び金額を決定します。 ご希望いただいた活用先につきましては、審査にあたり最大限尊重させていただきますが、希望 先に助成できない場合もあります。また、ご希望にそえなかった場合も、寄附金を返還することは できませんので、ご了承ください。

となっています。〔※新宿区を批判する意図ではなく、一例として掲載〕

密室の審議プロセス であれば、いくらでも「納税者」の意図を無視することができます。ですから、 ふるさと納税の具体的な使途の審議プロセスは透明化される必要があります。 民主党政権時の「事業仕分け」のように。

例えば、 ニコニコ生放送やUstreamで審議風景を動画配信 し、その動画アーカイブを公開していつでも視聴できるようにしておくことで、十分な透明性を確保できます。

自分のまちでもWhere Does My Money Go?

こう考えると、 自分のまちにもWhere Does My Money Go?(税金はどこへ行った?)が欲しい ですよね。ちなみに、

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