固定給付き完全成果報酬制

当社の報酬システムは「固定給付き完全成果報酬制」です。毎月の固定給と、毎年7月の決算賞与を支給します。(※決算は6月、賞与の支給は7月)

〔なお、この文章を理解して頂くには、あらかじめZaの説明を読んで頂く必要があります。Zaとゼロベース株式会社の関係は、「汎用的なZa」と「Zaによって運営されているゼロベース株式会社」という二層構造になっています。Zaの説明が、ゼロベース株式会社に限らない説明(Zaを採用するすべての会社に当てはまる内容)になっているのに対し、この文章はゼロベース株式会社に固有の説明(Zaを採用しているからといって、どの会社にも当てはまるとは限らない内容)になっています。〕

目次

  • 個人採算制と完全成果報酬制の全体像
  • 固定給と完全成果報酬制
  • 最大の赤字リスクは「仕事がないこと」
  • 黒字ラインを超えてからが楽しみ
  • 付加価値を上げるための3つのポイント
  • 仕事を獲得する/作るための活動
    • 社内で仕事をもらう人
    • 社外で仕事をもらう人
    • 自ら事業を立ち上げる人
  • 本部による黒字化支援サービス

個人採算制と完全成果報酬制の全体像

図解

Zaの個人採算制と完全成果報酬制を組み合わせた全体像は下図のようになります:

個人採算表と報酬制度の全体像図解

方程式

  • 売上 − 売上原価 = 付加価値
  • 付加価値 − 本部費 = 総報酬
  • 総報酬 − 会社負担分社会保険料 = 正味報酬
  • 正味報酬 − 社内預金 − 現物支給等 = 給与・賞与
  • 給与・賞与 − 税・社保料 = 可処分所得

解説

「本部費」は「売上総利益 × 20% + 60万円/年」です。

「正味報酬」は一般的な会社員の「年収」とほぼ同じものです。当社では一般的な「給与・賞与」以外の報酬の使い道として、「現物支給等」と「社内預金」があります。

「現物支給等」を構成するのは「自由に使える経費の立替精算」「法人カードの利用額」「通勤手当」「借上社宅の家賃」などです。

「社内預金」は翌期以降に繰り越すことができ、好きなときに賞与で、あるいは最終的に退職一時金として受け取ることができます。

固定給と完全成果報酬制

「完全成果報酬制」ということから、よく心配されるのですが、毎月の固定給はあります。

固定給の金額に応じて「黒字ライン」が決まります。固定給を低めに設定すれば、黒字ラインは下がります。逆もまた然りです。

個人採算が一時的に赤字になっても、すぐに給与が減ることはありませんので、どうかご安心ください。いったん赤字になっても、いずれ黒字に戻せるようなら問題ありません。

ただし、累積の赤字額が多額になれば、「戦力外」として解雇の可能性が高まります。その目安は「人件費1年分の赤字」です。これは「付加価値ゼロの月に相当する赤字の12ヶ月分」を意味します。

採用選考においては、固定給の希望額が高ければ高いほど、合格(内定)しにくくなります。ご自身の固定給希望額に見合った「入社後のパフォーマンス」を証明する必要性が増します。

次は赤字リスクについての説明です。

最大の赤字リスクは「仕事がないこと」

この制度において最大のリスクは「仕事がないこと」です。仕事がなければ「付加価値ゼロ」になります。

「付加価値ゼロ」のインパクトを理解するために、次の問いについて考えてみてください。もし、ある月の付加価値がゼロになったら、それを取り戻すのには何ヶ月かかるでしょうか?

仮に、ひと月あたりの人件費が50万円、黒字ラインが69万円、通常はひと月あたり80万円の付加価値を上げている人がいるとしましょう。この人の黒字マージンはひと月あたり11万円です。

人件費50万円、付加価値80万円の個人採算表

さて、この人が、ある月だけ「付加価値ゼロ」になったとして、その赤字を取り戻すには何ヶ月分の黒字が必要でしょうか? なんと6ヶ月分です(= 黒字ライン ÷ 黒字マージン)。

たったひと月分の「付加価値ゼロ」を取り戻すのに6ヶ月もかかるわけです。いかに「付加価値ゼロ」のインパクトが大きいかお分かりになるでしょう。

ちなみに、別の見方をすれば、「丸一ヶ月の休暇を取ること」がどれほど贅沢なことか、何十万円分の「機会費用」を払っていることになるかも、お分かりになるはずです。

また、「戦力外解雇」の目安になる「1年分の赤字」が、どれほどの重みかも理解できるはずです。(上の例をそのまま使えば)1年分の赤字を取り戻すには6年もかかるわけです。そして、大抵の場合、1年分もの赤字を作るまで成果を出せなかった人が、そこから急に毎月コンスタントに黒字を出せるようになるとは考えにくいのです。そもそも、「1年分の赤字」とは「1年分まったく働きがなかった」という意味であり、ふつうに働いていればありえない状態ですから。

赤字リスクについての話をまとめると、「仕事がないこと」が最大のリスクです。そして、その対策は「 なるべく仕事が途切れないよう計画的に受注すること 」となります。それについては後ほど改めて説明することにして、次は黒字ラインを超えたときの(ポジティブな)話です。

黒字ラインを超えてからが楽しみ

さて、さきほどの例の条件を少し変えてみましょう。もし付加価値が80万円/月から120万円/月に50%増えたとすると、黒字マージンはどうなるでしょうか? 11万円/月から51万円/月、なんと4.6倍になります。

人件費50万円、付加価値120万円の個人採算表

付加価値(働き)の5割アップは、黒字マージンの4.6倍になる。やや直感に反するかもしれませんが、下記のグラフを見れば一目瞭然ではないでしょうか。

付加価値と利益のグラフ
(※X軸は付加価値、Y軸は損益です。ここで損益の定義は「総報酬 - 人件費」です。)

黒字ラインを超えた部分の付加価値については、その8割が報酬になりますから、黒字ラインの達成に留まらず、どんどん稼いで頂きたいと思います。

さきほど、「丸一ヶ月の休暇を取ることは、何十万円もの機会費用を払う贅沢なことだ」と説明しました。しかし、いま見た例のように、ひと月あたりの人件費50万円に対して利益が41万円もあれば、数ヶ月ごとに丸一ヶ月の休暇を取っても余裕で黒字をキープできます。

黒字ラインを超えた部分(余裕、マージン)が大きいほど、働き方の自由度も増すと言えます。

あるいは、少し休暇を取った程度で赤字転落しないために、 固定給を必要以上に高くしないほうがいい とも言えます。

ここまでの説明から想像できる通り、赤字が続くとプレッシャーになり、ストレスになります。わざわざストレスを呼び込みやすい状況に自分の身をおくことは懸命ではありません。

さて、ここまでの説明で、「固定給付き完全成果報酬制」における赤字と黒字について、理解を深めて頂けたことかと思います。次に、「どうすれば付加価値を上げられるか」「どうすればより多く稼げるか」について説明をします。

付加価値を上げるための3つのポイント

付加価値を上げるためのポイントは次の3つです。

第1に、 稼働率を上げること 1。つまり、仕事が途切れないように計画的に受注することです。そのためには、社内外でマーケティングやセールスの活動をしなければなりません。自分のスキルを知ってもらい、売り込むことです。

第2に、 値段を上げること 。つまり、自分の値段である「人月単価」の設定額を、定期的に値上げすることです。値上げしても発注してもらえるように、相応の努力をしなければなりません。「高くてもあの人に頼みたい」と言われるプロフェッショナルになるということです。

第3に、 効率を上げること 。同じ労働時間でも、仕事の処理能力を上げれば、より多くの仕事ができるようになります。そのために、業務プロセスやツールを改善するということです。

とくに1点目の「稼働率を上げること」が重要です。先述の通り、最大の赤字リスクは「仕事がないこと」ですから。次は、その点について詳しく説明します。

仕事を獲得する/作るための活動

ゼロベースでは、「黙っていれば仕事が降ってくる」わけではありません。「命令のない自由な職場」とは、同時に「誰もあなたに仕事を与える義務を負っていない職場」でもあります。何もせずに待っていても、「お好きな仕事を選んでください」とメニューが提示されることはありません。

「付加価値ゼロ」という状況は、「例外的なリスク」などではなく、むしろ「出発点」です。付加価値ゼロから出発して、黒字ラインの達成を、そしてさらなる利益の上積みを目指すのです。そのためには、兎にも角にも、仕事を獲得しなければ始まりません。

では、どうすれば仕事を獲得できるのでしょうか。

社内で仕事をもらう人

ご自身がエンジニアやデザイナーなら、営業担当者やプロデューサーのような「社外から仕事をとってくる人」から仕事をもらうことが多いでしょう。したがって、そういう人に向けた「社内営業」をしなければなりません。

「仕事をくれる人」の立場に立って考えてみれば、「スキルセットや仕事の好みが不明な人」には仕事を頼みにくいものです。

ですから、自身のスキルセットや「どんな仕事をしたいか」といった情報を、あらかじめ「仕事をくれそうな人」に伝えておくことが大事です。

例えば、スキルシートやポートフォリオを常に最新の状態に保ち、社内で共有しておくことは有効でしょう。そういった「社内マーケティング活動」の結果として商談が増え、仕事の受注につながるのです。

社外で仕事をもらう人

ご自身が営業担当者やプロデューサーならば、仕事は他社から受注することになるでしょう。そして、その仕事をエンジニアやデザイナーに再委託(社内取引)することになるでしょう。

もちろん、仕事の再委託先は、社外の企業や個人事業主でも構いません。取引相手を選ぶのは自由です。とはいえ、どうせなら同じ会社のメンバーでプロジェクトチームを結成して仕事をすることが、長期的には有利でしょう。 2

そのためには、日頃から社内のメンバーのスキルセットや好みを把握しておく必要があるでしょう。

自ら事業を立ち上げる人

上の2つは、いずれも「受託案件」の説明でした。もう一つ、「自分で事業を立ち上げる」という選択肢があります。

ゼロベースには「事業組合制度」があります。これはLLP(有限責任事業組合)制度を、ゼロベースの社内制度としてアレンジしたものです。簡単に言えば、「みんなでお金を出資し合って事業を立ち上げ、その事業から上がった利益を出資比率に応じて分配する仕組み」です。

この仕組を使えば、事業のプロデューサーだけでなく、エンジニアやデザイナーも出資をして、全員でリスクとリターンをシェアする形で、新規事業にコミットすることができます。

もちろん、事業が失敗すれば、出資金は回収できません。しかし、うまくすれば多額のリターンを得られるかもしれません。もちろん「事業売却」という出口もありえます。新規事業はロマンです。

さて、「仕事を獲得するための活動」と「仕事を作るための活動」について説明してきました。ここまでの説明で、ゼロベースで働くということがどういうことなのか、かなり理解して頂けたのではないかと思います。最後に、新入社員などの「赤字社員」に対する支援策について説明しておきます。

本部による黒字化支援サービス

ゼロベースの社員が安定的な黒字状態にない場合、ゼロベースの本部は以下のような「黒字化支援」を提供します:

  • 自営戦略の立案支援(キャリアカウンセリング、スキル分析、市場分析、スキル獲得計画など)
  • マーケティングの支援(商談を増やす施策)
  • セールスの支援(見積や契約の伴走)
  • コーチング(実務、座学、読書などの伴走)

とくに新入社員には手厚い支援が必須だと考えており、安定的な黒字状態になるまで支援します。

とはいえ、「支援」であって「代行」ではありません。あくまでも主役はご自身です。依存してはいけません。 「経済的自立」(自営力) こそ、ゼロベースにおける美徳です。「自分の脚で立っている」という自負が、「プロフェッショナルとしての自信」と「自由な働き方」につながるのです。

補足

  • 当社に定期昇給という制度はありませんが、いつでも固定給の変更を申請できます。(申請額が高すぎる場合は不受理となります。)
  • 毎年7月の決算賞与のほか、申請に応じて臨時賞与を支給できます。(賞与の原資となる利益が足りない場合は不受理となります。)

ゼロベースでのキャリアにもどる。

  1. 稼働率というファクターの意味については、Zaにおける黒字社員で説明しています。

  2. 同じようなメンバーで仕事を繰り返すことを通じて、コラボレーションの熟練度が上がっていきます。いわゆる「組織学習」の効果です。毎回異なるメンバーでプロジェクトをするより、組織学習を繰り返すほうが、長期的には仕事の品質と効率の両面において有利でしょう。